【NETFLIX 韓国オリジナルコンテンツ、世界でヒットする理由とは?】

SANO CHIE editer (Japan)

 

韓国のエンターテイメントはKpopだけにとどまらず、NETFLIX 韓国オリジナルドラマも世界で爆発的な人気を得ています。2021年9月に NETFLIXで配信された韓国オリジナルドラマ“イカゲーム”は世界90カ国で視聴ランキング一位を記録し、他にも韓国オリジナルドラマ“地獄が呼んでいる”は世界人気ランキングで初登場1位を記録。ドラマはその国の風土や文化が反映されるため似ている文化圏以外の国の視聴者からすれば文化的な壁があるといえます。実際にイカゲーム劇中では韓国の伝統的な遊びが登場します。そんな文化の壁を越えてNETFLIX の韓国オリジナルコンテンツが世界中で受け入れられ人気を得る理由とは一体なんでしょうか?

ひとつは‘高いストーリーテリング能力’ではないでしょうか。アジア地域で過去数十年にわたって韓国ドラマは韓流ブームを巻き起こし、その中で質の高いクリエイティブなストーリー性のある物語を制作できる基盤がすでに培われています。また、“イカゲーム”はストーリーの題材自体は日本でもよくみることができるデスゲームのようだという意見もありました。しかしストーリー展開の速さ、テンポのよさが視聴者を飽きさせない、「次はどんな展開になるのだろう?」と思わせるポイントがあり、見始めたら一気に最後まで見てしまいます。

また、分かりやすいビジュアル描写’は 重要な要素です。もちろん多言語の字幕や吹替を充実させることも重要ですが、“イカゲーム”劇中でゲーム参加者は緑色のジャージ、支配者はピンク色の服、マスクを着用しているように視聴者が見ただけで内容を把握することができます。この視覚的わかりやすさが文化や言語の壁を越え情報をより伝えやすくする仕掛けになっていると感じられます。変化が激しい現代、コンテンツ産業において作品が次々と制作、消費される傾向にあるため、記憶に残るビジュアル的要素は作品を印象付けるのに大きな効果があります。2021年のハロウィンでは“イカゲーム”のコスプレをする人々が多くいました。そういったコスプレ服などで作品が二次創作されている点からも、イカゲームの視覚的な影響力を証明しています。 

最後に‘世界中の誰もが共感できるような社会的問題の描写も含まれている’という点も大きな特徴ではないでしょうか。2020年、格差社会をテーマとした作品である“パラサイト 半地下の家族”(ボンジュノ監督)はアカデミー賞作品賞を受賞しました。“イカゲーム”にも社会的に力の弱い者が疎外される現代を風刺した格差社会が表現されています。どの国でも存在する格差社会問題というのは全世界の視聴者に共感をもたせ、考えさせられるような余韻を生ませるのだと思います。 

さらに最近では韓国ドラマだけでなくNETFLIX にて放送された恋愛リアリティー番組“脱出おひとり島”も世界トップ10入りを果たし、大きな話題となりました。これは韓国のバラエティー番組では初めての記録になります。番組内で、最も注目を集めたビューティークリエイターとして活躍中のユーチューバー、“フリージア”(本名:ソンジア)は出演後インスタグラムのフォロワーが急増し、2022年1月1日には彼女が運営するYOUTUBEチャンネル‘freeジア’の登録者が100万人を突破しトップユーチューバーに仲間入りしました。どんどんと活動の幅を広げ、現在、世界で最もホットなインフルエンサーといえるのではないでしょうか。このようにNETFLIXの普及効果はとても大きく、今後もNETFLIXは韓国コンテンツに力を入れていくと思います。 

ドラマだけでなくバラエティーまで様々なジャンルでヒット作を作り続けるコンテンツ大国、韓国。すでに NETFLIX を含め韓国独自のコンテンツはKコンテンツファンを世界中に増やし続けています。今後も世界を魅了する新しい韓国コンテンツがどういった分野で、またどのような形で生み出されるか期待したいです。 

SANO CHIE editer (Japan) 

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写真:netflix/フリージアInstagram