韓国人は流行が一番

日本人が、韓国に旅行に行った際、あるいは日本に旅行に来ている韓国人を見たとき、ほとんどの人が同じような格好をしていると感じたことはないだろうか。それは服だけ に限らず、髪型やすべてが似ている。そしてすぐに韓国人だとわかるということだ。

比較して、日本はどうだろうか。日本はファッションに関しては比較的自由な国と言える だろう。韓国はトレンドのものを取り入れることこそがオシャレとされている。それが韓国 のスタイルのようでだ。なぜ韓国は国民のほとんどが同じような格好をし、なぜ流行に敏感 なのだろうか。 

 

そもそも韓国(人)って?

 

そもそも韓国(人)ってどんな国で国民たちはどのような性格、性質を持っているのか。

 

デジタル大国の韓国

韓国にいると日本よりもデジタル化が進んでいるなと感じたことはないだろうか?まだ まだアナログな部分が多い日本だが、韓国はあらゆる部分でデジタル化が進んでいる。決済 もカードやモバイル決済などの決済方法がほとんど。街中を歩いてみても電光掲示板やネ オンな感じがする。 そして韓国にはアイドルが多数存在する。アイドル達は TikTok、YouTube はもちろん、韓国国内で作られた Weverse などのプラットフォームをうまく利用してグローバルにファン との交流を行っている。 韓国は、2000 年代初頭より IT による急速な変化が進んだことから「IT 大国」「電子政府先 進国」と呼ばれていたという。韓国のインターネット普及率は約 97%、アクティブソーシ ャルユーザーと呼ばれる SNS に日常的に触れている人は 91.2%に及ぶそう。日本でもよく つかわれている Instagram だが、韓国では、日本よりも Instagram の利用者率が 10%以上 にもなる。何よりも韓国は世界有数のインターネット速度を保有している。他の国では 4G が普及している時、韓国ではすでに世界で初めて 5G ネットワークをはじめたという。 普段から SNS をよく利用している韓国人たちは、常に SNS をとおして新しい情報を入手し ているようにみえる。

 

韓国のエンタメ産業

韓国では、映画、ドラマ、音楽、ゲーム、ウェブトゥーンなどのエンタメが充実している。 KPOP アイドルはもちろん、韓国ドラマは韓国国内だけではなく、世界中で人気を誇って いるため世界中に影響を与える。 韓国には世界的にみても影響力のある K-POP アイドルがいる。そのアイドルたちがある 日突然いつもとは違うメイク、ファッションをするとやはり反響は大きくなる。 インフルエンサーの人たちが一つ化粧品を紹介するとこれもまたすぐに影響される。 このように影響力のある人がたくさん韓国には存在しているため韓国国民たちもすぐに 影響される。 日本ではドラマを放送する際、途中に何度も広告を挟むが、韓国ではドラマを放送する際 は、放送時間内はCMはせずドラマ内で俳優の方が商品を使い広告を行っている。正直CM が始まるとスキップしたくなったり、テレビ画面から目を離すことが少なくないだろう。だ がドラマ内で宣伝をしてくれると目を離すことなく、見ていられる。有名なその点で韓国は うまく俳優を利用して広告していると思う。

 

競争意識の高い韓国

韓国では「スヌン(大学修学能力試験)」が人生をかけた戦いになる。日本で言う、「大学入 学共通テスト」にあたる。日本とはくらべものにならないほどの受験戦争ともいわれている。 日本のように短大や専門学校、高卒で就職するなどの選択肢はほとんどなく、しかも有名ど ころの大学に行かないと意味がないとされている。学歴社会の韓国では幼少期から学業に 力を入れた教育がおこなわれ、そのくらい大学入試に本気なのだ。そのくらいそのため人よ りも勝ちたい、一歩前に立ちたいという対抗心があるため常に人をライバル視している。幼 少期から高い学力や成績を求められる環境こそが韓国人の競争意識を高めている要因と言 えるだろう。

 

빨리빨리(パリパリ)文化

韓国には「早く早く」を意味する빨리빨리(パリパリ)文化といわれる文化が存在する。そ の名の通り、何に関しても物事を早く効率よく進めたいという韓国人の性格だ。何事も早け れば早いほどいいとされている考え方だ。 「早く早く」文化は朝鮮戦争後の急激な経済成長の過程で形成されたもので、当時の韓国社 会は早い再建と発展が必要だった。これにより、すべてのことが早く行われることが美徳と みなされ始め、今日まで続いていると言われている。 この文化は韓国人のライフスタイル、ビジネス慣行、そして社会的期待に深く定着しており、 特に ICT(情報通信技術)産業のような早い変化が要求される分野で肯定的な影響を及ぼす こともある。 韓国では、銀行、郵便局、配達など、ほぼすべてのサービスが早く提供され、おかげで人々 が列に並んだり、長く待つ必要はありません。その点、需要者にとってはとてもありがたい ことだ。ですがそれが反対によくないケースもある。持続的な時間圧迫によるストレスと疲 労が発生する可能性や、速度に集中することで、仕事の完成度や質が落ちてしまう可能性が あるということ。そのため早いことがいいと言い切ることはできないのだ。  

 

日本と韓国の違い

 

日本人と韓国人とで美意識の差や、トレンドへの意識の仕方が少し違う。 もちろん「美」の基準も違ってくる。 

 

日本人は自分の体形やコンプレックスを隠すために、オーバーサイズのものを選んで着 用したり、華やかな印象を与えるアクセサリーなどを身に着けるため、柔らかくて女性らし い易しい印象を与える。その反対に韓国では自分のスタイルを活かして自分の体をよく見 せるために体にフィットしたファッションを着る傾向にある。基本的にデザインはシンプ ルなものが多く日本と違って華奢なアクセサリーやバケットハット、キャップなどを着用 している人が多い。なので韓国人はシックでかっこいいファッションをする傾向がある。

日本では「顔より心」と言われますが、それに対し韓国では「心がきれいな人は顔も美しい」 と言われている。韓国では内面と外面は密接につながっていると考えられている。これは、 外見の美しさは内面の美しさの表れだと捉えられていることを示しているのだ。 日本人は化粧をする際、気分転換や自己肯定感の向上を目的とする。そのため「自己満足」 のための行為だと言える。

反対に韓国で化粧とは、他社からの好印象をえるための「自己演出」のための行為だと言え る。韓国では、顔をコミュニケーションツールと捉える意識が強く、相手に好印象を与える ためにメイクアップを重要視している。

 

1. 徹底したスキンケア
韓国ではスキンケアが美しさの基準と考えられており、朝晩のスキンケアルーティ ンが非常に重要視されている。クレンジング、化粧水、美容液、クリーム、日焼け止めなど 他段階のスキンケアを行うことが一般的だ。これは肌を健やかに保つための習慣であり、外 見だけじゃなく、肌の健康自体を重視している。女性だけではなく、男性もスキンケアは欠 かせないのだ。韓国人の男性を見てみると女性と同じくらい肌に気を使っているのが見え る。

 

2. 食生活と美容の関連性

韓国食は、食生活が美容に与える影響が大きいとされている。例えば、発酵食品(キムチな ど)は腸内環境を整えるため、美肌や健康にいいとされている。また、コラーゲン雅豊富な 食品や、ビタミンCを多く含む食品が美にいいとされ、積極的に取り入れられている。

 

3. 精神的な健康と美容

韓国では、運動やフィットネスが美容の一環とされており、特に女性は、健康的で引き締ま った体形を維持するために、定期的な運動を行うことが一般的のようだ。ピラティスやヨガ、 ダンスなど楽しみながら動かす方法が人気でソウルの街中でもジョギングをしている人を 良く見かける。そして韓国では夫婦やカップル、家族など誰かと一緒に楽しみながら運動を する人が多いようだ。最近では KPOP アイドルたちがピラティスをしていることもありも っと人気が出たり、日本でもピラティスの専門店が増えてきている。

 

4. 美容整形

韓国では美容整形の需要が非常に高く、普及している。ソウルの江南地区は美容整形クリ ニックが密集しており、「美容整形のメッカ」とも呼ばれている。これに伴い、韓国の美容 整形技術は世界でもトップクラスとされており、国内外から多くの患者が訪れる。特に韓国 では親が卒業祝いとして鼻整形の施術費用をプレゼントするなど、鼻や目の整形は当たり 前の施術となっている。そのほか大がかりな整形も行っています。輪郭を大事にしているた め、小顔効果を狙って、あごや頬の骨を削ったり、脂肪吸引をする人もいる。これらは女性 に限った話ではなく男性も当たり前にやっている施術なのだ。 最近では日本人でも美容整形をする人が増えつつあるが、それでもまだ、美容整形に対し ての意識は日韓で大きく異なる。 まず、日本では美容整形は後ろめたいもの、隠すべきものと捉えられており、施術を受けた ことを公表することに抵抗がある人が多いようだ。このように日本では美容整形はタブー とされている。だが韓国で美容整形とは、自分をよりよく見せるための積極的な手段と捉え られており、施術を受けたことをオープンに話す人も多いのだ。芸能人が整形をしていても、 「あの人整形したんだ」と SNS で騒いでいる人も多く見かける。

 

5. 外見至上主義

韓国では外見が採用や昇進にも影響を与えるとされており、特にサービス業やエンター テインメント業界では外見が重視される傾向がある。このため就職活動時に履歴書に写真 を添付するのが一般的であり、企業側が応募者の外見を選考基準の一つとしていることが 少なくない。また結婚や人間関係においても、外見が重要視されることが多く、「美しくな ければ成功できない」というプレッシャーが社会全体に広がっている。 外見至上主義は特に若者へ強い影響を与えているのだ。 若者たちは、学校や SNS で外見に関するプレッシャーを感じやすく、自分の容姿に対して 敏感になることが多い。このため、10 代や 20 代の整形も増えている。だがこれが心理的影 響も与えているのだ。 外見至上主義は、個人の自己評価や心理的健康にも影響を与える可能性があるため、自分 の外見に対する過度な不安や劣等感が生じることが有り、これが精神的なストレスやうつ 病、過食障害などにつながることもある。外見に過度に依存する社会圧力が、個人の内面的 な価値や自尊心を損なうリスクが指摘されている。

日本人と韓国人の髪型を比較してみると、まず女性を比べてみるとヘアカラーがとても カラフルでヘアアレンジなどにもこだわっている人が多い。これもまた全体的にふわふわ とした質感のデザインが多い。それに比べて韓国人はハッシュカットが流行っているため 強くてかっこいい女性を演出しているようにも見える。特に男性はほとんどのひとが同じ ような髪型をしているように見える。ダウンパーマをしているためすっきりとした印象に なり、清潔感も見える。反対に日本の男性の中には、ロングヘアがおしゃれとして髪を伸ば している人も多く見かけるが、韓国ではロングスタイルは不潔とされている。最近ではロン グヘアの男性もたまに見かけるが、日本と比べるとまだまだ少ないようです。韓国では女性 も男性もカラーリングをする人は少なく、アイドル以外の一般人の人は基本的に黒か茶色 の人が多いようだ。カラーリングをしてる人は金髪の方がほとんどで、日本のようにピンク やオレンジなどのカラフルな色をしている人はあまり見かけない。

 

韓国と日本のアパレルショップの比較

韓国と日本を比較してみても、韓国は無地が多く、デザインもシンプルなものが多い。 反対に日本では、柄物が多く、上記でも述べたとおり、フレアのものやワンピースなどふわ ふわした柔らかい印象が残る。そして韓国はどの店に入っても内装がシンプルな店が多い。 これはファッションデザインがシンプルなため、商品を引き立てるためのデザインなのか もしれない。

インタビュー

実際に韓国のアパレルにて質問してみた。 韓国ではあまり見かけないユニークなコンセプトのブランドにてインタビューをしてみた ところ、ユニークなスタイルだが、これを韓国人たちは日常できる人は少なく、旅行などの 何か特別な日用に購入する方が多いんだそう。それも、若い 10 代から 20 代前半の人たち ではなく、20 代中盤から 30 代中盤の方がよく買いに来るそう。ここのブランドは柔らか く、丸みのあるデザインのものが多く、韓国の流行とはかけ離れたデザインだ。そのため、 やはり流行に敏感な韓国の若者にはあまり刺さらないのかもしれない。

 

まとめ

このように、上記で述べた韓国人の性格や性質、国全体の環境こそが韓国人たちのファッ ションに影響を与えていることがわかった。 韓国では、他人と違うことに対する不安感が存在することも一因になっており、急ぐ文化 などのせいですでに誰よりも先に新しいものを取り入れることで周りとの差別化をし、個 性をだしているように見える。しかし個性を強く主張するよりも他人と同じであることに 安心感を覚えるひとが多いようだ。このような心理的な側面が、流行や同じスタイルを好む 原因になっていることがわかった。

 

・・記者:今別府 里桜(神戸国際大学4年)